○ 雪 の キ セ ツ . . .


「 寒 . . . 」
思わずそんな声が出てしまうほど、気温が低い。
ニュースでは、−15℃とか言っていた。
「って、そんなわけあるか!・・・・・・寒・・・・・・」
自分で自分にツッコミを入れるほど寒いことはないと思った。

いつもの公園を通り過ぎる。ココを通ると、あのことを想いだしてしまう。
・・・結局、あれからあの二人には会っていない。
いや、会えるはずがないとわかっているのだ。
心の中でそう決め付けている。そう決め付けてしまっている。

「・・・あ・・・雪・・・」
雪が顔に落ちてきた。それは体温で溶け、水となって頬を伝う。
「・・・もうそんな季節か・・・」
受験勉強ばかりで気が付かなかった。
雪・・・あのときの、あの透き通った肌のように白い、雪。
頬を伝うものが、雪水だけではなくなってきた。
もっと暖かいもの。涙。
そのとき悟った。ヒトは、嬉しいときにも涙を流すことが出来るということを。

涙をふき取る。眼はまだ赤いだろうが、心は晴れ渡っている。
雲が切れて、青空が覗いてきた。
そう、俺の心を、そのまま空に写したかのように。
「・・・・・・よし。」
吹っ切れた。とてもいい気分だ。
これからは前を見よう。
涙が落ちないように歩くのはコレっきりだ。

「・・・・・そういえば・・・・・・」
時計を見る。時刻は8時55分。
完全に遅刻だ。
f i n .



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